決着がついて未来/瀬崎 虎彦
 
決着がついて未来 豊饒に
流れる水のそばで 邪気なく
手を濡らし髪に陽光を受けて
ほどけるように午後が訪れる

カーテン越しの陽光は
床の上に零れて広がる
そこに一匹の黒い金魚
やわらかに自由に遊びまわる

回転する孤独の重さを
今はまだ計算できなくていい
かならず知ることになる重さだから

台所に立ちレタスの葉をちぎりながら
見つめる 何度でも 痛いほど
声に出す 何度でも 繰り返し

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