孤独/
テシノ
私は見つめ続けている
いつからかその後ろ姿を
「お前」と私は語りかける
「お前、まだ行くのか」と
それは振り返らない
振り返らない後ろ姿
声の届かぬ孤独
届かぬ声の孤独
雷鳴を合図に降り出す雨にも
駆け出す足を持ち合わせない
二人で孤独の道を行く
私が見つめ続けるので
お前は振り返らなくてよいのだ
二人という孤独
一人でいられぬという孤独
語りかける声ゆえに
お前の黙は完璧となるのか
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