a brief encounter.../瀬崎 虎彦
 
      虚空に舞う 電子の粒 雪の隠喩
      回線の波に惑う 名付けられぬ影
      一瞬 手が触れた気もするけれど
      初めから なかったことにするよ

接続されてこころは閉じ込められる
誰にも気づいてほしくない 虚勢を
高らかに奏で 輝かせるために
音楽は続き 日は昇るのだろう

みるものを ふれるものを ことばにするから
どれほどの おもみが うしなわれるとしても
わたしのこえを おねがい ききのがさないで

   とどけたい そしてつたえたい
   あなたが わたしをみつけた
      あな 
    た    
         がわ     た
   し
     を み
              つけ
     てく   
           れ     た
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