寝起き/
北村香織
昨夜は いかにも憂いでして
お風呂にも入らずに
眠ってしまったのです
予定のない日です
お昼過ぎ 湯をあびながら
ほうっ、と つばを吐きました
また そのような日が、明日も また、
このような私も
いつか まぶたを
鋭利な刃物で
きびしく 切り開かれるという
どのような刃物か 見てしまうのは
とても怖いので
長いこと 眠っていたくなります
また そのような日が、明日も また、
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