発覚〜hack and eat〜/伊月りさ
 
きみの奥にいる四人目を
億千万から探る夜

朝は遠く
遠くで始まるバイク音は
億千万に投函している
億千万の活字のなかに
それは書かれているのだろうか

獏の逸話が本当ならば
とびきり腹をすかしておいで
ファンタジックな夢とともに
この憶測を完食しなさい



そうして、わたしは捩れたからだを投げ出しました。

わたしは毎晩こわい思いをする。エレベーターに閉じ込められ、そのエレベーターは際限なく上昇し続ける。たくさんの民族に追われ、逃げのびた視界の端で、幼馴染みが耳をちぎられる。
わたしはいやな食べ物なのだ。
たとえば、夢に味があるのだとしたら。未熟と完熟の
[次のページ]
戻る   Point(3)