発覚〜hack and eat〜/伊月りさ
きみの奥にいる四人目を
億千万から探る夜
朝は遠く
遠くで始まるバイク音は
億千万に投函している
億千万の活字のなかに
それは書かれているのだろうか
獏の逸話が本当ならば
とびきり腹をすかしておいで
ファンタジックな夢とともに
この憶測を完食しなさい
そうして、わたしは捩れたからだを投げ出しました。
わたしは毎晩こわい思いをする。エレベーターに閉じ込められ、そのエレベーターは際限なく上昇し続ける。たくさんの民族に追われ、逃げのびた視界の端で、幼馴染みが耳をちぎられる。
わたしはいやな食べ物なのだ。
たとえば、夢に味があるのだとしたら。未熟と完熟の
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