秋を憂う/智鶴
遠い銀河を駆け抜ける汽車を
細い目で夢を眺めるように見ていた
枯れた花を抱いて
生まれたばかりのように震えながら
君はまるで無力だと笑う
陸に立っていることすらも精一杯で
まして君を抱き上げることなど
ガラス越しに絡み合う熱
触れてしまえば真実に殺されると
すべてを知っていた
無機質な嘘も
偽りを重ねた感情も
それがこんなにも僕を狂わせた
僕の真実を震わせた
触れたかった
君に
君の腕に抱かれるには
きっとその花は繊細すぎたんだ
無力だ
あまりにも無力だ
砂のように流れる、音
僕の心臓の音
遠い
暑すぎる夜にすべてを諦めて
また少し眠ろうと思う
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