「信じる」についての力とおとぎばなし/馬野ミキ
 

悪魔と取引を終えた朝に
許しを乞う俺がいるかのように
小雨降る元町商店街、仔犬が俺を見つめる
仔犬が俺を信じている
路地裏で初対面なのに何か俺の非道さを圧巻するぐらい俺のことを信じて黒目がちでクンクンとか言ってる
アフォかと!
だから俺は取引をしたにも関わらず
仔犬の餌を調達する為に
まだ閉まっているスーパーのシャッターをマシンガンでぶっ壊し
あたたかい食べ物や犬の玩具を盗んでこなくてはならない
こんな筈じゃなかった!
悪魔なのに!
なんてこったい!

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