健やかなるときも辞めるときも/aidanico
 
まだぼくが明日と昨日の区別もつかないときの、とってもおさないころのはなし



風邪をひいた。微熱だったけれど息が詰まるようで、頭が靄のかかったようにぐらぐらとしている。何度も眠りに付こうとするのだけれど、中々どうして眠りへの道は遠い。



一、健やかなる時も辞めるときも



薄明るい中で気が付いた。眠りに落ちた記憶はないのに妙に冴え冴えとした心地だ。人生とはずっと眠りに落ちて夢を見ている状態のことで、本当の世界は死後にあるという。ならばここは死後の世界なのだろうか。体も嘘みたいに軽い。徹夜明けにとても体は疲れているのだけれど、体は変に気が抜けてふらふらとしている。そん
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