赤/ゴースト(無月野青馬)
 
から、隼のマーク
女の子は気付いてくれて、読んでくれて、待ち合わせ場所に来てくれて、優しい挨拶をしてくれて、話をしてくれた
けれど、付き合ってはくれなかった
少年の初恋即失恋


少年はそれから毎晩、枕を濡らした
耳がしおしおになる程


時間は流れていく
つまり5年後
女の子には彼氏が出来ていた
女の子は少年と合っても、もう挨拶を返してはくれない
少年は涙を溜めた目で空を睨み
隼の魂を追放する


外れてから腕に戻らない左手を抱き締めて
少年は今夜も眠る
舌で接合部を舐めてみたり、少し皮を食べてみたり
けれど、
隼の魂を無くして
少年の方針はブレてい
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