小説『花垣線』/オイタル
 
花垣線に乗った。
駅長さんを呼んでみたが、
もうずいぶん前から、この駅は無人だった。

乗り換えの駅に到着した。
次の電車が来ないので、
改札を通って、待合室で待った。

強風のため、電車は来ない。
待っていた各駅停車は欠便となった。

友人は、次の各駅を待つといった。
待っている別の友人が気になって、
私は、すぐ後の急行で行くことにした。
眠ってしまった私は、次の駅を乗り過ごした。
気がつくと、闇の中で電車は速度を落としていく。
暗い山の中の駅で電車は止まった。
別の友人、すみません。
私は駅に降りた。
風を避けるもののないプラットホームで、
戻りの電車を
[次のページ]
戻る   Point(5)