猫のいる/
いっと
朝
通学途中の自転車の上
猫がくるんと丸くなって
寝ているのが見える
猫の背中に
朝日が柔らかに射す
夕
夜の匂いが満ちてくる
まだ猫が眠っている
側に置かれた餌に
猫の食指は動かないのか
朝
傘を差しながら
学校への道を急ぐ
猫がまた寝ている
昨日と正確に同じ恰好をして
冷たい雨が降り注ぐ
夕
全てを悟り
少し泣く
雨上がり
一陣の風が
猫の背を優しく撫でる
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