薄荷/ゴースト(無月野青馬)
 
「出ておいで、準備が出来たから」
満月。午前三時。公園。
魔神の子が遊ぶ為のジャングルジムの下
魔法陣の真ん中で花束を踏みにじれば、目蓋のようにドアが開く


右手の爪。左手の爪。
自ら捧げ、赤身の部位を晒した少年
家の物置に
日中の間は魔神の子を住まわせたいと密かに願う


午前三時。
公園に、
魔神の子、魔界の少女がひっそりと降り立つ
ドアが閉められてしまうまでは遊んでいられる


「ルルルル・・・」


二人
公園を離れて線路の上を伝い歩きながら、他愛のない話で笑い合う
「昨日は物置を整理したよ」とか
「猫を殺したよ」とか
「明日はいよいよパ
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