【輪廻】/白こうもり
 
炭酸の如き 享楽に

歩幅を合わせる 雨の音。

炭酸の如き 生活に

歩幅を合わせる 雨の音。


炭酸の如き 一日は

妖精たちの ママゴトです。

炭酸の如く 人生が

気体になるのを 待てとでも?


さて働いて 飯を食い、

さも旨そうに 酒を飲み、

さりとて大した こともなく、
 
さては景気の 悪さかと、

たたんだ傘に 問うてみる。


幾千万と 繰り返す

人の浮世の 晴れと雨。

歴史の果ての その先に

残るは星の 丸さでしょう。


今朝に生まれた 赤子らと

今宵亡くなる 魂に

濡れてはいかんと 声かけて、

ビールを含み 床に就く。


炭酸の如き 憂鬱と

歩幅の乱れた 雨音は、

明日には地球の 裏に行き、

起きたワタシは テレビつけ、

顔を洗って いるでしょう。
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