違う存在/北村 守通
 
体4番目だったように記憶している。

敵、という存在は便利だ。
すべての責任はそこに押し付けてしまえばよいし、排除していく快感もある。それをすることで自分はヒーローにもなれる。それは古今東西、人間が取り入れてきた生贄のシステムなんだろう。(魔女裁判、狐つき、その他いろいろあるんだろう)その時、殴る蹴るをしている者達の表情はいったいどういうものなのだろう?と考えてみることがある。きっと血走りつつも幸せで満足そうな表情なんじゃないだろうか?なんせ相手は『敵』であって『違う』のであるから。人の形はしていても人ではない、という理屈を当てはめ、納得させることができるのだから。
 
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