邪魔な距離/ジャイコ
いつまで待っていても
もう還ることなんてできない
しかたがないのでわたしは
きみをそこへ入れたがるのだけれど
きみはいつもつかれていて
あまり無理をさせられないからせつないな
とりだした子宮は
未来の卵とともに流れ出る
止められない行為には
きっと意味なんてありはしない
還られない事実におびえて
せっせと毎日目隠しをして走り去る
灰になる日だけが確実に近づいてきて
もうなにも失いたくないのだと知る無知なわたし
しかたがないのでわたしは
やっぱりきみをそこへ入れたがるのだけれど。
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