路地/
松本 涼
路地を曲がると猫が居て
草をむしゃむしゃ食べていた
振り返る事三度目に
猫は小鳥になっていた
小鳥は小さく跳ねながら
水溜りの水を飲み
そのまま水に落ちてった
それからその後(あと)底からは
緑の亀が這い出して
亀はゆっくり僕の方へ
僕はゆっくり亀の方へ
硬い甲羅に触れた途端
僕は猫になっていて
むしゃむしゃ草を食べていた
誰かが路地をやって来て
何度も僕を振り返る
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