デメキンと親父/チャオ
 
君、がんばれって!」って話しかけていた。

名前、デメだし・・・・・。

その横で、気がつかなかったように、テレビが流れていた。

母親は、「金魚ってのはね・・・・」って親父に話しかけてた。

母さん、デメキンだよ。まあ、金魚だろうけど。

山形の、田舎の、電車にも乗れない母さんが、なぜか、金魚には詳しいらしい

親父は「金魚君」といい続けてる。

名前、デメだし・・・・。

話しかけても、デメは気がつかない。

デメは、水の中で、動かないでいる

親父は、やっぱり、金魚君という

何で、君付けで呼ぶんだろう。

次の日、目が覚めたら、デメは死んでしまった。

親父は、何も言わずに、新聞を読んでいた。

「死んだね」というと、興味なさげに、「うん」と、うなずいた。

食卓には、焼いた、ししゃもが、あった
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