ホイップ/丘野 こ鳩
 
坂道に転がる
人工衛星が蟻のように夜空を横切る
どーん
空を叩いてる 自分以外の誰かが確かにいるようだ
多少のさざなみとなるようだ 
在るだけの風景

たし たし
耳の奥から 
音は響き渡り彼方に情感を連れ出し、それを葬り去るように
こだまする
バルーン
パラグライダー
昼日中にも暗闇をわざわざ選別し膨らんでからゆっくり
落ちてった
山の向こう
ビルの向こう
海の向こう
空気の向こう側へ

ひどいことは起こらなかった 望んだほどには
生き延びておめおめ摂取した
お米とお米とお米お米おこめおこめおこめ
糖を舐めて とろとろ 
砂糖水を垂らしながらすすむ
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