青雨の裸婦/こしごえ
 
しげりしげり光の青青としげった青葉を食む
尺取虫の羽化をした。
青空の縁を

すぎる時はぬれている。
白い肌の、青く浮かび上がり
おもい出を語り継ぐ
(おばあさまのわかいころ一時
 白いお米はたべられなかったそうよ)
羽化をした、羽が、やがて雲とも交わる。
すべてを声にする
紫に冷めたくちびるの自問
流水の果てに。

日輪に暈のかかり
昇ってゆくほそい雲
を黒い影たちが見上げている。
風はいまだ訪れずここに
青葉はおだやかにそよぐ気配もなく
静かに光合成を告白している

これが一つつばめらひくく
無関係なものか、と
あらわにする
味覚に
耳をかたむける、くびすじの細さ

『今宵は、
雨かしら





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