RE:/竜門勇気
 
なりました。ぽてんと倒れてそのまま動かなくなりました。本堂から小生さんが出てきて「火を消してやらんかったの?」と言いました。
私はただ熱心にお堂の観音様があぶられてはいけないと思ってそうしたのだといいました。
倒壊しているビルからの火の手はあと言う間に門の端に火をつけました。
大きな木を力任せに引き裂くような音がそこかしこから聞こえました。
小生さんの手を握るとそれは震えていました。
私がこわい、というと小生さんは「まもるも大層怖かったに違いないな」と言って私を突きとばしてかけって行きました。
わたしはおびえて震えていました。

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倒壊しているビルからは、めいいっぱい張り詰めた横線が間引かれていて私は涙を流します。
訂正され、辟易とされ大きな鍋でぐつぐつ。 ただ腐った寺院です。
枯葉の多く積もった徘徊のある風情にはでたらめのキュウブを置いては他になすすべはなかろうと、書類を書き、眼差しを分類し、まだ何者かを残した境内に火を放ちました。
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