窓/
寅午
ひとつの窓が眠りについた。窓のなかで
演じられた芝居はおわった
観客たちは涙をぬぐい、夜をみつめる
なぎさの波のように
いくども繰りかえされた生と死
観客であると同時に
みずからの生と死を演じる役者
やがて、みずからの足元に満ちる
死をおもい、みつめあう窓と窓
いくどとなく砂に書かれた
「永遠」の文字、そのたびに
波はかき消し、死は繰りかえされた
ひとつの窓が灯りを消し、眠りについた。
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