くらげのしたい/ゆるこ
誰かが世界に対して何かを叫んで忘れている
片っ端から記憶が消えていくのはあらかた嘘だろうけれど、その場には忘却の二文字が
確かに、確かに、
脈々と 存在していた
嘘のように
本当のように
手首を押さえた鳥が、縷々と自分のことをくっちゃべっている
(一瞬の、線香を十として、界隈の避難児達を八とする)
忘却がカプセル状になって、
或いはミスト状になって
体内の機能を低下させて行く
(下手くそな漕ぎ手でごめんね、と呟いた)
色褪せていく無常の先に
君は瞬いたはずだった
僕の忘却が、破り捨てられた絶対的存在が
(付加価値すら亡くして、漂う)
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