泣きたがるロボット/きゃとる
 
せっかくの休日だと言うのに、倦怠に包まれてやりたいことも分からない私は、
突如として何らかの生命に触れたくなり、傍らにあった観葉植物の葉を衝動的にもぎ取った

締め切っていたカーテンを開けると、無神経なお日様が私の視界を白くした
私は忌々しげに目を細め、軽いめまいを覚えながら、小さな緑をそっと光にかざして見た

緑の体内にあったものは、薄い薄い血管のような無数の葉脈たちだった

(ああ、これがお前の命のパイプなのか…?これがお前を支えるのか…?!)

不意に自分の腕に目を落とすと、そこには何ら生気が感じられない白い不気味な肉塊が、太陽にさらされて普段よりもより一層白く浮かび上がっていた

(ここに葉脈はあるのか?!生きているならその中にはきっと…)
 


ただ、確かめたかった


私は優しく愛撫をするように、大事に大事に自分の腕に剃刀を押し当てていった

中身を確認するよりも前に、私は「痛い」という感覚に、大変な安堵感を覚えて思わず笑みがこぼれた





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