あなたの手/亜樹
 
あなたの
手が
あんまりに
つめたいので
わたしは
なんだかこわくなって
その手を
きつくきつく
にぎりしめたのですが
わたしのねつは
すこしもあなたに
うつらなく、て
いつまでも
いつ、ま、でも
つめたいままで
あなたはわたしの
かおののぞきこんで
すこし
こまった
ように
わらう



れど
その
表情さえも
もうわたしには
いてついた
つららの
ように
おもえて、くるので
もう
手を
離したほうが
いいのだろうかと
ただ
その
つめたい手を
つかんで
なやんだ
まんま

もう

10ねんも

たって

しまいました。


あなたの手は
今日も
冷たくて
私は
まだ
まよって、
いる
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