誰か僕に仕事を斡旋して下さい/セガール、ご飯ですよ
 
あの時 俺は3歳でやくざに中古車を斡旋していた
親父とお袋はモノマネパブで手品を披露していた
年の離れた兄貴はF1レーサーになりたがっていた
年老いた祖父母の邸宅は無情にも差し押さえられ
大物芸能人の取り巻き連中に300万円で落札された
そういう幸せな暮らしに俺は飽き飽きしていたんだ
そういう豊かな暮らしに俺はうんざりしていたんだ
やくざは東南アジアに海老の養殖池をいくつも造り
ブラックタイガー種の海老を育てチリソースで食ってた
俺が斡旋する中古車はソビエトが壊れて売れなくなった
両親と兄貴はボリショイサーカスのチケット代が払えず
年老いた祖父母を大物芸能人に仕立て上げようと
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