永遠のサナギ/浅井実花
もう何も見つめない
もう何も感じない
心を繭で包むように
サナギになった
サナギは
飛べやしない
だのに飛び立った君は
羽化もしていない羽で
無様に地面に叩きつけられ
死んだ
嗚呼、誰か気づいて
嗚呼、誰か愛して
サナギを
嗚呼、誰か引き留めて
嗚呼、誰か抱き締めて
サナギを
鼓動だけが耳にこびりつき
生き様だけが目に焼き付き
希望も絶望も全て抱えて
死んだ
サナギよ
さよならも言わず
飛べると信じていたの
青い青い日々に
失くしたのはサナギ
羽化することもない
永遠のサナギだった
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