8月のラジオウェーヴ/フミタケ
暗い夜の闇の向こうへそっと手を伸ばしてみただけ
明日がくれば日々の事にまた目を奪われて
思い煩っていた時間の尊さも僕たちは忘れ去ってしまえる
信じたい事 疑う事 とにかくここにある事
可愛い君の手のひらをそよ風がなでる
声が途切れたら静寂は夜の隙間
誰もいない浜辺まで転げ落ちる
8月のレディオウェーヴ しずくのようなメロディ
あだ花舞う湾岸道路とばし 君を連れ出していくよ
暗い夜の闇の向こうへ届かぬ街の灯りはまたたいて
星くずのよう 哀しい星くず模様
肌で感じる景色の揺らぎに目を向けて
二人の響きそっと溶かしてみたい
龍が泳ぐ東京の空 ファズの効いたベースうなる
種をかぞえ息をのみ 君を連れ出していくところ
静まり返った午前零時に染みだしていく想いの産毛
近づいたのにまた遠のいて 触れてはじける時間の粒
8月のレディオウェーヴ しずくのようなメロディ
あだ花舞う湾岸道路とばし 君を連れ出していくよ
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