Romanesque/sironeko
 
少年が青年と歩いている。
青年の手には犬のリードがあり、少年の手にはスコップ入りの小さなバッグがある。

要するに犬の散歩だ。

少年は十歳にも満たない子供だ。
青年は二十代後半だろうか。

二人はあまりにも仲睦まじく、そして見目麗しかった。

(神さまは不公平だわ、きっと二人はお金持ちでもあるのよ、そんな余裕が見て取れるもの、でも連れている犬は雑種のようだわ、ああ、そうお金持ちの偽善ね、そうに違いないわ、ああ嫌になる)

キスをしそうな甘い雰囲気を醸し出す二人は、いったいどんな関係なのだろうか。
兄弟というには歳が離れすぎている。

(年老いた青年の父親が若い愛人に
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