小雨綺談/小川 葉
 
 
 
朝から晩まで働く
とはいうけれど
この頃は
朝から朝まで
働くことも多くなり
今日などは
昨日の朝から翌深夜まで働いて
今こうして
わずかばかりの自分の時間を
ひとり過ごしている

むかしとても暇な
職場に勤めていたことがあって
自分の時間を持てあまし過ぎて
結果ろくなことにはならなかったという
経緯がわたしにはある

実績も人脈も
すべてうしない
そうして今の職場にいる
この現実が過酷だと思えば
たしかに過酷であるのだ

休みなど年に数えるほどしかない
息子を見るたびに
成長してるのがわかる
妻もまた
そこからはみだしていくような
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