ひまわり/コトリ
 
あわせになってほしいと、最後に言いました
それは大嘘
最後の嘘でした

けれど不幸にもなってほしくなかった
それはほんとう

出来ることならこの劇薬で
魔法使いをこらしめてやりたいのに
いま、わたしたちの間には大きな壁が立っていて
日常すら、知ることが出来ない

あんなにも毎日寝食をともにしたのに
今は、ひとつひとつつながっていた糸が
とうとうあと半年で切れてしまいますね。

王子様はわたしを抱きしめて
それでよかったのだよと頭をなでてくれます
幸福に溺れるのはらくちんだけれど

ひまわりを見ると
似ていないあなたを思い出すの
昨日の日付を意識してしまう
忘れようと思えば思うほどに
刻み付けられている日付
あなたは、あの頃のわたしの歳に追いついたのですね
そこからは何が見えますか
おろかな監禁生活を
あなたは悔やんでいますか
それとも、苦笑していますか
はたまた魔法使いの手によって
記憶は消されてしまったのでしょうか

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