水彩絵の具を、水に溶かして/かなた蒼空
 
匂いがするのだろうね。きっとそれは、仕合わせだろうね。



例えば、君の髪みたいに艶めく黒は如何でしょうか。
確か君は星のない空が好きだったので、夜空の黒でも構わない。
君の隣りに立つと、いつだってお月さまの光がいるのだろうね。きっとそれは、仕合わせだろうね。



黄色のバケツに水をはって、茶色いパレットを取り出す。緑の筆を持ち、白い画用紙に鮮やかな君を描く。
ぼやけた輪郭が、君らしくて。

三色の水彩画。
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