水彩絵の具を、水に溶かして/
かなた蒼空
匂いがするのだろうね。きっとそれは、仕合わせだろうね。
例えば、君の髪みたいに艶めく黒は如何でしょうか。
確か君は星のない空が好きだったので、夜空の黒でも構わない。
君の隣りに立つと、いつだってお月さまの光がいるのだろうね。きっとそれは、仕合わせだろうね。
黄色のバケツに水をはって、茶色いパレットを取り出す。緑の筆を持ち、白い画用紙に鮮やかな君を描く。
ぼやけた輪郭が、君らしくて。
三色の水彩画。
戻る
編
削
Point
(3)