marie/瀬崎 虎彦
 
marie

息がつまりそう
もう僕ら二人
地下鉄に乗って
堕ちるところまで
堕ちるしかないかな
あれから夜は一人きりで
ガードレールの白く浮き上がった道を
ずっと歌を口ずさんでね
廻るピアノ
いたいけな幸福
時のレモン
左手に持つナイフ

いったいどこまで行けるか
通りを往く人に目を奪われて
花と花の間に夢のような裸体
素敵な裸体
からだ繋ぎ注ぎ込んでフィーネ
雨のにおい
不愉快な液体
そして僕のすべてをおもちゃにする
君を抱いているメロディ
壊れやすいもの包むように
大事に
大事にするから
迷わずに
僕と一緒においでよ
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