LSP/mad.rabby
 
痛みなどないのなら、舌を噛み切って殺してしまえばよかった。
覚悟という言葉が、もっと優しげな響きだったのなら、首を吊ってもよかった。
だが現実には、痛みは悔しいほど生きたいと云うし、覚悟という言葉には、押し潰されそうな重みがある。
やはり《し》への恐怖は拭えない。

"Kiss my ass"
過去に死んでしまうほんの少し前にこんな言葉を残した人がいた。
彼は一体何を思いこんな言葉を残したのだろう。
苦痛や恐怖に打ち勝つ覚悟はあったのだろうか。
知る由もない遠いこの人は、私になんと言ってくれるんだろうか。
言葉をかけてもらえるのだろうか。
私がもう少し前に
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