夏空に溶けたきみへ/あ。
空で迎える最初の誕生日に
どんな言葉を送ろうか
どういうわけかわたしの周りには
夏が好きな人が多くて
きみもその中の一人で
暑いのが苦手なわたしには
何度夏の良さを説かれても
賛同することが出来なかった
或いは
磁石のN極とS極みたいなもので
わたしが夏嫌い冬好きなものだから
夏好きな人が多かったのかもしれない
それなのに
みんなみんないなくなってしまう
だから余計に好きじゃなくなる
この季節の空は余りにも広くて
余りにも遠くて美しすぎて
涙をこぼさないように上を向いても
かえってこぼれてしまいそうになる
夏
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