輪生〜the ring is saying〜/
伊月りさ
きれいな世界を見ているわたし
それはラヴォアジエが教えたように
見失っているだけで
抱き合えないひとも生きている
失われた時間とぬくもりを包括して
有り余るほどの思い出を与えながら
わたしが蒔いたこの場所で
ピーちゃんの死骸はやがてあたたかな土になり
ポチのおしっこはやがておだやかに降り注ぐ
そういう巡りを吸い込んで
大きく陽に向かうのは
何回目の向日葵だろうか
わたしは到底知らない
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