今日という日/おっとっと
っぽのままだった。
そう。
悪は俺の中に最初からあったのだから。
空っぽになった部分は空洞になったままである。
その部分が新しい俺を作り出した。
どこか、虚ろな人間を。
全てに冷めた眼を向ける。
人には「眠いから」そう言ってごまかす。
そうすれば、俺の変化に気がつく人間はいないから。
虚ろな人間は、しばらく虚ろに生きていた。
(くだらない存在…)
たびたびそう思いながら。
そんな日々から自嘲気味な思考回路が生成されていった。
たまに感情が噴出す。
(お前は恥知らずな存在だという事を自覚しながらものうのうと生きている!!!)
(このクズが!!!)
そう思い、自分をいじめる。
辛かったがそれは俺にとって唯一の贖いの時だった。
誰にも知られる事の無い時だったけど。
それも今では、無い時間。
今日という日を忘れないため。
俺はこれを残す。
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