今日という日/おっとっと
5年と半年前、人を好きになった。
生まれて初めて本気で好きになった。
想いは暴走した。
止めるすべを知らない俺はどうしようもなかった。
あの日から、俺は正義を掲げる事を止めたんだ。
駅で電話をかける。
「好きだったんだ」
想いを打ち明ける。
「ごめんなさい」
想いは痛みとなって跳ね返ってくる。
最後の言葉は「謝らないで」
その日から俺の中から"正義"が消えた。
何故なら、俺が悪になったから。
悪人がどんなに繕うとも結局は悪。
消えた正義によってできた隙間は悪で埋められるかと思ったら空っぽ
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