深夜まで/
瀬崎 虎彦
飢えているのかもしれず
もって生まれた悲しみを
あなたがたは口にしない
島を取り囲んでいる
水のような白き砂を
波紋が渡っていくのを
凝っとみつめている
辛い塩水はもうない
考えられる限り幸福な結末はない
弱さなら口にしても
苦しみに見あわない代価で
世界とつながることはできる
目を腫らしても孤独を
見据えたいという
風も止んだ
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