おふろ/
三原千尋
こんなにもわたしのからだは
文明に侵されていたんだ
しゅわしゅわと熱がからだにしみこむ
気づいて、気づいて
こんなにもさみしさが背骨にわだかまっている
生きてて、生きてて
伸ばしかけた羽根を悲しみに折りとられてしまっても
しゅわしゅわとからだははよみがえってゆく
手足は泰然とまどろんで
わたしは汗ばんだ野生に安堵する
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