貘/ゴースト(無月野青馬)
ら、な」
「早く貸しな」
次の瞬間
詩作ノートを飲み込まれた!
しばらくしたら
貘が言う
「お前、ヘタクソだよ」
「ヘタクソだけど」
「そこそこ面白ぇから」
「全部喰っちまう」
「ノートじゃなくてこっちをね」
人の頭飲み込む時、顔、カンガルー似
少年爆笑
(その隙にパクリとやるのか)
(貘め!)
コツコツ
食べる時蹄が鳴ってる
アレアレ?
何かに似てる
ハンプティ=ダンプティ?
口元に折り紙付いてるよ
薄情
拍車
翌日も
別の団地にソリが停まってる
悲鳴の代わりの笑い声聞こえてくるから
今日も仕事してるんだね
きっと今夜も
色んな妄想とか詩を食べているに違いない
(貘め!貘め!貘め!貘め!)
(息子の夢を返せ!)
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