美術館/葉leaf
 
入り口で友達を待つ
美術館の敷地の膨大な広がりは
僕の繊細な部分を広げ続け
空の広がりにまで接続する
空の水にはごくうっすらと
大地が映っているかのようだ

ひさしぶり
仕事はどう?
会話は僕の体重を増してゆく
僕は足元に二人分の体重を感じながら
その体重を目のひびを埋めるのに使った
入場券の値段と
入り口からの歩数とは
どこかで混ざり合ってしまう

レジェの版画
絵というものは実はとても軽くて
その分僕らから重さを吸収していくようだ
絵の向いている方角そのものに
何か意味があるように思えて
二重に描かれた絵の中で
伐採されていく意味の森林

レジェ
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