目/きゃとる
前の何月何日の事で、君は自分を亡くすことをどう感じていたんだい?
君は本当に全て覚えているのか?
なぜあの時そう言ったのか?
なぜあの時逃げ出したのか?
なぜ傷つけなければいけなかったのか?
あの言葉を口にした時の気持ちを…
そう、君は君が知る以上の月日を既に生きてきたんだ。あまりに膨大だろう。目眩がするだろう。
余りにも微かな記憶の果ての果ての君は、君か?
その感覚を、その微細な感覚を心身に刷り込ませていないくせに、それでもそれは君なのかい?
あらゆるものを一瞬にして凍てつかせ、大事に大事に冷凍庫にでも保存しておきな。
それから僕のところにお茶でも飲みに来なよ。
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