beauty in the library/瀬崎 虎彦
 
beauty in the library

長い黒髪を微かに揺らして
あなたは笑った 僕の目を見ずに
「私はそれほど若くはないの」と
時の隔たりをグラスに溶かして
夢など見ないという素振りでうつむいた rosy
誤解でも僕が一番そばにいたいのに

長い黒髪を微かに揺らして
書架の闇を通り過ぎる
その指に触れさせて
その頬に触れさせて
僕が迷う 僕だけの少女

ある日曜日の晴れた公園で
柔らかい日差し 渡るそよ風に
その髪を揺らし 白いドレス着た
あなたが微笑む

beauty in the library
she's beauty in my life

あなたがほかの男の心のままになってしまうと
考えるだけで僕は心穏やかならず
眠れぬ夜 物憂い朝
いくつ数えて生きていくの? 僕は
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