パラララララ…/北街かな
になる時刻を知ったんだ
宅地の電源をてのひらで押しこんで
あらゆる騒がしいひかりが黙っていく、この夜に
ただ 聴いてみなよ
兆す音を
うなずきの動作でそっと、誘いだしながら
点から降下してゆくにんげんの
パラララララが途絶えてゆくよ
しがみつくその手に花咲けば
ゆびの先から種子もこぼれた
この瞬時に
誰にも見られず
かなしい人形を捨ててみせるよ
たちのぼり、ゆらり、林間に潜む影となり
人心見知らぬ闇となれたら
ゆっくりと停止線が開いてゆくのを見るだろうから、
出来るだけ
そっと浮かんでみせる
戻る 編 削 Point(5)