パラララララ…/北街かな
 
になる時刻を知ったんだ

宅地の電源をてのひらで押しこんで
あらゆる騒がしいひかりが黙っていく、この夜に
ただ 聴いてみなよ
兆す音を

うなずきの動作でそっと、誘いだしながら

点から降下してゆくにんげんの
パラララララが途絶えてゆくよ

しがみつくその手に花咲けば
ゆびの先から種子もこぼれた
この瞬時に
誰にも見られず
かなしい人形を捨ててみせるよ

たちのぼり、ゆらり、林間に潜む影となり
人心見知らぬ闇となれたら
ゆっくりと停止線が開いてゆくのを見るだろうから、
出来るだけ
そっと浮かんでみせる
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