リームバ/Ohatu
真実という字全体にニンベンをつけて、
あまった勢いで。
どんなスプーンよりも
甘いささやきよりも、深く、えぐって。
そのささやかな穴に、
あたしのまんなかに空いた、へこんだ乳房に
あたしはしゃがみこんだ。
世界は切り取られたって
ばらばらになんかならない。
ゆるい希望や30才目前だっていう漠然とした悩み。
紫色のアメーバの絵は、
はじまりとおわりがつながらない。
からだ中にあるわれめを数えてみると
ぼくときみ、あなたとわたし、おれとおまえ、ねばねば
からまって、正体は不明、ああ、もう
なのに、
あたしは元気、準備はいつだ
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