蝉としゃれこうべの朝/
A道化
死ぬのだね、あなた、
そしてわたしももうすぐ死ぬのだね、どうしようもないね、
けれども、それから百年後に、
私たちは百年前のひとつの夜のことを覚え合えているかしら、
けれどそれよりもいまのこと、今、今、今あなたが好きなん、
目を開けなくともあなたがわたしがここにいる
そのことを確かめる為にあなたにくちびるをつけてこのまま
ああぬくい皮膚だ、そのどこかにくちびるをつけてこのまま
ねえ、百年以上眠りたい
ひとつの朝
2009.7.26
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