月風魔伝/zihan
 
         
  首ったけになれば、
  その首は討たれる。

  今も昔も世の中は、首だらけ。
  首だけでは、痛みは、感じない。



  本来、胸の奥にあるべき弦も、
  その琴も、疾うに失われ、

  地表に突き刺さったままの胴を忘れて、
  首共が浮いている、
  世界に茜など、
  さすものか。



 詩は、己の臓物で練り上げた「精神」だ。
  以って姿を、首として晒すのみだ。
  
   それには語る口も
   聞く耳も必要ない

  首だけの詩文は、
  所詮は頭脳で生成されたデジタルの産
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(2)