話し相手/フクスケ
 
風を受けて
ふいに
ことばが途切れる
頷いた
眼差しの
彼方には
夏の空の
積乱雲が
まばゆい

音楽のような
やり取りが
耳に心地よくて
話し声が
音にしか
聞こえない

ことばが
見つからなくて
頷いてばかり
それでも
君は
夏そのものだった

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