循環/月焦狼
る。
一つ所に落ち着けぬものは、縛られない代わりに守られもしない。
辺縁にひっそりと庵を結び、村に属さず、かといって、完全によそ者になることもない。
境界には魔物が住み、富と恐怖を齎す。
辺縁に住む者は、境界を司り、時に富を、時に災いを招きいれ、どちらの時にも感謝されることもなく、ひそやかに差別を受けるのみである。
異端を受け入れられるものは、己もまた異端とならざるを得ない。
持たぬものは失わず、希望がなければ絶望もない。
それでも、喪失は絶えず繰り返され
明日になれば、
また
陽は
のぼ
る
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