君と僕の世界/sironeko
 
その古くて錆付いた門を出ると、少しばかりの階段があって、それを降りると右には大きな公園へ向かう道、左にはサーカス小屋続く道があります。


ロバの皮を被った男が笛を吹いています。
牙を抜かれたライオンがピシリと鞭で打たれています。
ピエロはそれらをけらけらと嘲笑っていました。


僕はそれをただ見ていました。


右の道を真っ直ぐ進むと、突き当りには公園へと下りるための百段ばかりの階段があり、右には古い家々がある坂の道、左には異人たちの街が創られています。

紅い靴を履いた女の子がしずしずと坂の道から降りてきます。


僕はただそれをなんの感慨もなく見送りました。
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